"孤独になりたいと思うより早く、老いがやってきて、死ぬのが生物のあり方で、ちょうど死ぬ頃合いをねらってさみしさがくるような予感がある。さみしいのはぼくに死臭があるからだろうか。いのちとしての価値がおわっても、生き続けている間、ぼくに友達はできない。恋というシステムで、ぼくは身勝手に存在を主張して、無理に呼吸を続ける。好きや嫌いなんて知らない。ぼくはぼくの名を自分で叫ぶために、身勝手な恋を続けるんだ。
   
「facebookの詩」最果タヒ
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詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中

最果タヒ「風船の詩」 2
詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中
"第三者に傷つけられて喜ぶ人などいなくて、結局、いるのは傷つけられることでだれかが身軽になること、幸福になること、そんなことで幸福になれると知って、微笑んで見つめている人だけ。雨より嵐より遠くの空からそんな瞳がならんで、こちらを見つめている。ぼくがここにいて、生きることや死ぬことを考えるだけで命をやり過ごそうとする間。たとえ意味のないことだとわかっていても愛や芸術を重要に思いたいと、本当の真理、触れるだけではじけて泥になりそうな嫌悪感や欲を、心臓にすげかえ、見えないように封じ込めてしまうことに、彼らは名前をつける。ぼくのたいせつな、好きな人の名前を。
    
「表札の詩」最果タヒ
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新詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中です。

"言葉にした途端に、くずれていく、感情や、それ以前のもやもやとしたものがあると思う。友情と言ってしまった途端にいびつになる関係。恋と言ったら、なかったことにされたもっと刺々しい思い。これまでにあった規格にむりやり気持ちをあてはめていくことで、削り落とされていくその人だけのとげとげ。そうした、「言葉にする危うさ」というものと、隣り合わせで生きている。
   
私は詩人です。言葉を作品にしています。「言葉にする危うさ」がある一方で、「言葉が最終手段だ」ともおもっています。踊ったり、歌ったり、そういったことで誰もが感情を表現できるならば、言葉は生まれなかったのではないかとも思う。踊ることも歌うこともできない不器用な人が、使う最後の道具が言葉であること。忘れたくないです。
   
私の詩は、だから読んでもらえて、届いて、やっと完成するんだとおもいます。単純な、情報伝達の言葉ではなく、それよりももっと複雑かもしれないけれど、もっと体に近い言葉。自分だけの言葉。それが、届いたらなにより嬉しい。だから届くための詩集を作ったんだとなんとなく、思います。届く、ってどういうことなのか、でも、ぜんぜんわからなくて。まずは、値段を変えました。普通だと、その部数の少なさから2000円代になってしまう詩集ですが、今回は無理をお願いして、1200円(税抜き)と設定しました。リトルモアさんには感謝しかありません。ありがとうございます!
   
読まれることを、意識しすぎることは野暮かもしれません。けれど、私は、詩を読まない人たちにも、手に取ってほしくて、身近に感じてほしくて、だから、これまで、ネットで毎日詩を書いて投稿してきました。そういうことが実際に、実を結んで、色んな人が詩集を手に取ってくれて、本当に嬉しかったです。
   
少しでも、ネットで私の詩を読んで、なにかが心の奥で動いたら、よかったら「死んでしまう系のぼくらに」にも触れてみてください。なんだかわからないけれど、辛いとおもった、好きだと思った。なんでもいいです。情報伝達ではない言葉にふれて、なんだか心が動いた。そんな出会いが生まれたなら。
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最果タヒtwitterより抜粋。

新詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中です。

"孤独についてぼくは知りません。きみのいう都合のいい孤独なんて知りません、輝いている、その言葉できみの、生命や愛情が輝いていく、そんな言葉は知りません。消えていくバス、乗り遅れた電車、それだけでさみしいね。朝日も夕日もぼくらの排泄と同じぐらい、自然な現象なのに、悲しくなる。きょう、どこかで星が死んだのに、きみはそのことでは泣かない。きみの、もっと中途半端な精神の老いについて、ぼくは無視した。きみが醜くなりますように。ほかの誰も愛さないものになるように。
   
「抗菌スプレーの詩」最果タヒ
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詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中です。

"きょうも孤独がひどくて、たくさんの孤独が地球上にあるはずなのにどうして私たちはそれをくっつけて解消しようと考えないんだろう、結局自尊心や選民意識みたいなものが、孤独を引きちぎっているんだろうと思うと、涙がよけいにとまらない、それもぜんぶみじめだ、悔しいという言葉になる。きれいにさみしいって言いたい、でもそれはたぶん、死みたいなもので、だれも解決できないし、解決しようとも、せずに、みんなとおくから諦めた目でみるようなそういうもので。
   
「くつしたの詩」最果タヒ
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新詩集「死んでしまう系のぼくらに」発売中です。

最果タヒ「剣山の詩」 2
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"きみに心をほめられたいな、死ねや殺すをいうひとにほど、あいされたいな、生きてもいい予感がするんだ、さみしくてやさしいひとの言葉は、届かない耳、並べて、泣くのはもうやめようよ。海がみちて、町を沈めて、そこにボートで漂いたいと、願って、静かになったら星も、きっときれいに見えるだろう。そんな想像にすら孤独という言葉、使って涙を出すぐらい、ぼくには人間の悪い臭いが、しみついています。
    
「消臭剤の詩」最果タヒ
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新詩集「死んでしまう系のぼくらに」、発売中です。

最果タヒ「チークの詩」 2
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"きみみたいに生きたくて死ぬことを、馬鹿だとは言わないで。
愛情とは深い井戸の中におちていった光 ぼくはそこまでもぐったこともない、太陽の下で光に飢えることなどなく、夜を避けるように眠る。好きさ、きみのことをぼくはいつか忘れる。なにもかもが通り過ぎていくなかで、感情が錆びて砂になる、永遠にかわらないものに、なるのはさみしさだけだった。ぼくの命の尊さを、知れば知るほど、きみの、価値は軽く空に飛んで。
   
「風船の詩」最果タヒ
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